2012年12月23日日曜日

【書評】エネルギー上下(黒木亮)

【評価:】(興味関心があれば読むことをおススメ)

本書は、石油・天然ガスなどのエネルギービジネスを事実に依拠した内容(舞台は2000年代の日本)で展開する経済小説。実在に近い商社(三菱商事、トーメン)、投資家(JBIC)、役人、環境NGOなどが登場し、エネルギー市場やプロジェクトファイナンスなどのタッチも詳細なので臨場感がある。ただし、文章は若干くどくど・重複しており、スッと頭に入ってこないところが多々あることに留意が必要。

<主な内容>

・中東情勢に翻弄されるイラクの石油供給や、日本の国家的なガス供給プロジェクトとしてのサハリン2プロジェクトに対するプーチン・ロシア政府の介入と開発による環境破壊を訴えるNGO(FoE)との対立(三菱商事)
・イラン人脈を生かした「日の丸油田」の開発を目論むも、核開発を懸念する米国や米国市場を重視するトヨタからの横槍(トーメン)
・エネルギーデリバティブ市場における原油価格等の上昇と投機の勝者(JPモルガン)と敗者(China Aviation Oil



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